2010年8月8日日曜日

体の外側の筋肉が、体の内側の筋肉に先行して収縮した結果、バットのヘッドが本来のタイミングより早期に返る、大回りのスイングになります。
 その結果、前脚股関節の伸展運動がスイングの回転軸を形成する前に、フォロースルーによる回転の負荷が前脚にかかり、負担となります。
 
 例えるならこういう事です。
 踏み込まれた前脚は、いずれやってくる上体の回転を受け止めるために、着地と同時に基礎工事を始め、土台を固めます。
 ところが、その基礎工事が終わる前に、上体の回転を受け止めるので、前脚は負荷に持ちこたえる事が出来ないわけです。

 つまり根本は体の外側の筋肉が主導となってしまう事に問題が有るのですが、その原因は大きく分けて以下の2つが挙げられます。

(1)腕が力む
(2)腕を始めに動かす(腕でタイミングを取る)

 これはスイングにおける一種の原理原則のようなもので、どんな一流選手もこの法則から逃れられないでしょう。
 例えば、トップの位置が正しければ構えは個性的で良いと言われますが、変則的な構えから腕を大きく動かしてトップの位置に持って来る打者は常にこのリスクを背負います。
 
(1)の腕が力むと言う事ですが、これについては有る程度の選手であれば、常識的に理解している事で、改めて言うまでも無い事なのですが、実際には自分の意志とは無関係に力みを生み出しているケースも有ります。
 例えば、先に述べましたように、極端にトップバランスのトレーニングバットというものは、そのバットの形状と同じく、末端部の筋肉に負担を強います。その結果、末端部の筋肉が優先したスイングが作られてしまうのです。

(2)の腕を始めに動かすと言う点についてですが、バッティングでもピッチングでも、準備動作で始めに動かした部分は、本動作(スイング)においても、始めに動き出そうとします。
 始めに末端部を動かしてしまうと、内側の筋肉から外側の筋肉へと連鎖的に収縮させる事が難しくなるのです。

 ここで、バリー・ボンズについて考えてみます。

 いままで、基本的にバリー・ボンズについては聖域扱いにしてきました。しかし、実際のところ、全く引っ掛かる部分が無いわけでは有りません。
 例えば「理想のスイング軌道」のところではフォロースルーの高い例として、ボンズのスイングを用いましたが、そのスイングは別として実際の所、ボンズのフォロースルーというのは多くの場合でむしろ低い部類であると言えます。

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